歪む社会

「愛知トリエンナーレ2019」の企画展について各方面から意見が出されているが、河村市長を始めとする《歴史修正主義》の人たちの発信は定型文といってもいい状態です。それに対して、企画展を支持する人たちからは多様な観点から行われています。
私の友人でもある渡辺雅之さんが次のように発言しています。
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この事件は、アートの問題でも表現の自由の問題でもない。「歴史認識の歪み」と「修正主義(本当は改竄主義と称するべき)の人間たちの暴力性」の問題。でも、そこを正面から論じ報じることをメディアは避けていると感じる。政治家の圧力を、表現の自由圧殺の問題に矮小化するのがその一つ。メディアの萎縮と忖度、あるいはメディア自身の無自覚な歴史修正主義の受け入れ。それこそが、この事件最大の問題であり、露わにされたこの国の危機だと思う。    
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ジャーナリストの安田浩一さんと社会学者の倉橋耕平さんが対談した『歪む社会』(論創社)でネット右翼が出現した状況や歴史修正主義とメディアの共存などが語られています。書店に並んでいるヘイト本の多さにあきれていましたが、売れることで出版社が安価なヘイト本を次々に出版しているということです。
「通説をねじ曲げ、他者を差別・排除しそれが正しいと信じる。そんな人たちが、なぜ生まれるのか?」と帯宣伝に書いてあります。
歴史修正主義の人たちは、「従軍慰安婦はいなかった」とか「慰安婦問題は解決済み」、「韓国は国際条約を守らない」と発言するのですが、日本政府が'2015年12月に韓国政府と慰安婦問題の解決を合意した際、当時の岸田文雄外務大臣は韓国側との共同記者会見で以下のように発表しています。
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慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。
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1993年の「慰安婦関係調査結果に関する河野内閣官房長官談話」(河野談話)では、慰安所の設置、管理、慰安婦の移送に日本軍が関与したことを認め、慰安婦の募集・移送、管理については《総じて本人たちの意思に反して行われた》と述べています。こうした経過から考えれば、国際的な約束・合意を守っていないのはどちらなのだということです。

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