安倍首相と東條英機

太平洋戦争が始まった直後の帝国議会で全会一致で「陸海軍感謝決議案」を可決している。さらにこの議会には「言論、出版、集会、結社等臨時取締法」が提出された。その審議過程での勝田永吉議員と東條英機首相のやりとりがまったくかみあってない様子を保阪正康さんが『令和を生きるための昭和史入門』(文春新書)で次のように書いています。
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勝田 「この法案の中の戦時とはどういう意味でしょうか。講和談判になって条   約ができて批准すれば、戦時は終わると私は考えますが」
東條 「この法案の目的は、戦争の目的の達成にあるから、従って今が戦時で   す」
勝田 「私は戦時の意味を聞いているのです」
東條 「平和回復、それが戦争の終わりである」「(平和とは)戦争の必要がな   くなった場合であります」
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保阪さんは、「ここで立ち止まって考えてみたいのは、《平時》の定義である。私たちが《平時》と言えば、戦争のない平和な世の中を指す。しかし、東條たち軍人は違った。彼等は戦争状態こそが、《平時》であり、普通のことだと教えられてきたのである」と書いています。このことから果たして現在の自衛隊はどうであろうかと考えてしまいます。
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東條はすぐに「必勝の信念で勝つ」というのであったが、ある議員が「必勝の信念の根拠はどこにあるのか」と質したことがあった。東條の答は次のようなものだった。
「由来皇軍の御戦さは、御稜威の下、戦えば必ず勝つのであります。これは光輝ある皇国三千年の伝統であり、信念であります。われあれの祖先は、御稜威の下、この信念の下にあらゆる努力を傾倒し、戦えば必ず勝って今日の帝国を築き上げてまいったのであります・・・」
戦時議会で生粋の政党人が東條との討論は不可能と判断したのは、このような答弁が連日つづいたからでもあった。
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保阪さんは、《議員と首相のやりとりがまったくかみあってない》と書いているのですが、私は現在の安倍首相の答弁が東條英機のと似ているように思えるのです。憲法の基本的な原理・原則をまったく理解していない人が国会議員になり、それだけでなく大臣や首相になっているのですから問題は大きいと言わざるを得ません。
そう言えば、今日のニュースで河井克行法務大臣が辞任しました。妻の河井案里参院議員の公職選挙法違反疑惑を認めてのことだと報じられています。韓国の「タマネギ法相」に較べて潔い辞任だという印象です。まぁ、それだけ明確な運動員買収だったとも言えますが。安倍首相の「モリ・カケ疑惑」における昭恵夫人問題に対する姿勢に較べても河井法相の潔さが目立っています。
『戦陣訓』で《生きて虜囚の辱を受けず》と兵士に玉砕を命令しておきながら、自分自身は自決に失敗して東京裁判で死刑となった東條英機と安倍首相が似ているということはその陰でどれだけの犠牲が出ていることでしょうか。

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