オンライン名生研例会

山本敏郎さんが「《ケアと自治》の《と》の意味がわからない。《ケア》と《自治》は《と》で並べることが可能なのか?」と発信したので、どういう意味ですかと聞いてみた。山本さんは次のように言います。
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「と」のlogicがまったくわからないのです。
①自治と交わり・・・行為・行動が組織的か非組織的かで両者が区別されます。②自治と共同・・・共同は本質的・抽象的な概念で、その具体的な表現形態が自治です。このように、「と」はそれで結ばれている前と後の言葉のつながりや関係が明確であるはずです。③「いぬ」と「ねこ」・・・代表的なペットという共通項があります。④「東」と「西」・・・地図上の言い方をすると、ある地点を基準に右側と左側。⑤自治とケア・・・この「と」は、自治とケアがどういう関係にあるかを見せてくれていません。脈絡なく並べたのではないかと疑っています。自治、交わり、共同、いずれも子どもの行為であったり関係の性格であったりします。ケアは、教師の行為でもあり子どもの行為でもあります。
「と」でつなぐなら、少なくとも、子どもの同志のケアと子どもの自治というように「主語」くらいはそろえなくてはなりません。ケアの定義をあいまいにするから、ケアから自治への指導の段階論というような誤解があります。それは間違いだと指摘したことがあります。段階論ではないと竹内さんは言いました。

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そして、次のようにも書いています。
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◇◇と自治。1970年代後半から35年、この枠組みで生活指導が語られてきました。
①70年代後半・・・自治と交わり (この自治は、学習に対する自治でもある)
②80年代半ば・・・交わりと自治 ひっくり返ったことに意味があります。
③90年代・・・・・共同と自治。(参加・共同・自治と並ぶことも)
④このごろ・・・・ケアと自治
お分かりかと思いますが、すべて自治との対比で何かの言葉が置かれています。①②③はすべてその言葉自体が子どもの行為であることがすぐにわかります。交わりも共同も子どもの行為です。ではケアは? 普通は教師の行為です。自治との対比概念にするには集団のなかの相互的なケアということになりますが、ケアだけではそう読めません。その点に、言葉としてのすわりの悪さを考えています。

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山本さんは、『生活指導』No712号「ケア、コンサーン、コネクションの生活指導」において、ジェーン・R・マーティンが提唱する3Csについて、尾崎博美の意味づけを紹介しています。
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◆Care・・・互いに対する身体的・精神的な世話
◆Connern・・・互いに対する関心・配慮
◆Connection・・・互いの間の関係性・結びつき

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つまり、「配慮、世話、関心、思いやり」などをケアとあいまいに使ってきたのを、きちんと分類すべきだと山本さんは言っています。
今夜のオンライン名生研例会で以上のことを報告して「ケアと自治」について考えました。

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この記事へのコメント

文ちゃん
2021年01月28日 15:45
このテーマの問題は、「ケアと自治」ではなく、
「ケア実践と教育のしごと」ではどうかなと思いました。

「ケア(実践)労働が生きるために一番大事なのに、どうしてエッセンシャル・ワークと名づけて低賃金・過重労働になっているのか」
という問題を考えさせるきっかけになりました。
それはフェミニズムともつながっていくのですね。